27/07/2026
【医療通訳スタッフ・コーディネーター現任者研修 報告】
7月11日(土)、かながわ県民センターホールにて2026年度第1回現任者研修が行われ、105人が参加しました。
今回は、済生会横浜市南部病院の外科医師福田桃子先生をお招きし、「消化器外科疾患の概要」をテーマにご講義いただきました。消化器疾患は、通訳現場でも頻繁に扱う分野であり、日ごろから学んでいる通訳スタッフも多いと思いますが、今回の研修はその知識をさらに深め、最新の情報にアップデートする貴重な機会となりました。
福田先生は大腸をご専門とされ、外科医師として日々患者さんの治療に携わっておられます。研修では、大腸癌、虫垂炎、胆のう疾患、鼠経ヘルニアを中心に、診察や治療の選択について詳細にご説明くださいました。
大腸がんは、日本では男女ともに罹患数が高く、1975年から2018年までの43年間で罹患数が約8倍にも増加していること、しかし、限局がんであれば5年生存率が96%と予後が良いため、早期発見のための検診が極めて重要であることを強調されていました。手術ではがんの位置や進行度に応じて約10cmを切除し、確実にがんを取りきること、またどの腫瘍でも必ず生検に出して確認するとのことで、慎重で丁寧な医療現場の姿勢を知ることができました。さらに、抗がん剤治療の適用ケースなど、専門的な内容にも踏み込んだご説明があり、理解が深まりました。
虫垂炎は「薬で散らす」という表現から薬物療法が一般的と思われがちですが、実際には炎症が軽度の場合に限られ、再発率は40%とのことです。また手術の際には、患者が女性の場合、下着のラインも考えて切開位置を調整するなど、細やかな配慮がなされているということも紹介されました。
今回の研修では、これまで知り得なかった臨床現場の工夫や判断・治療の背景を伺うことができただけでなく、今後の通訳業務に役立つ貴重な治療の情報や写真資料もご提供いただきました。参加者にとってたいへん有意義な学びの時間になったと思います。(研修参加者 YK )
【受講者の感想をいくつかご紹介します】
●講義全般を通して、医療従事者向けの難しい説明ではなく、とてもわかりやすかったです。また、具体的な3つの症例を共有いただくことで、大腸がんはどのような見た目で、どのくらい切除するのかということがイメージできました。
●ますます増加傾向にある大腸がんについて、詳しくわかりやすい講義をしていただき、通訳時の背景知識が強化できました。手術についてもしっかり現状を学べたので、納得して通訳できそうだと思いました。
●それまで鼠径(そけい)ヘルニアがどのようなものかイメージできていませんでしたが、今回の研修でその画像を見ることができました。
●通訳現場で聞きたいなと思うことが多くありますが、そういう点がたくさんクリアになりありがたいです。