18/01/2026
【本当に困っている…って?】
まかないこども食堂たべまな、2026年もひっそりにぎやかに始まっています。1月と2月は暦通り毎週平日月曜日の開催です。どなたも空腹持参でどうぞ。今の小さくて寒くて古いお家で開くたべまなもあとわずか。思い出を刻みに来てくださいね。
さて。「困っている人を支援する活動」をしていると、あちこちで「本当に困っている人」という言葉をききます。事実として困窮や暴力・性暴力被害、疾患や障害などの苦難に見舞われている人の中に「本当に困っている人」と「本当に困っているように見えない人」がいる、ということです。後者は時として「困っているようには見えないから困っていないだろう」とされ、さらには「困っているということ自体が嘘だ」とされることもあります。
困ったことに、「本当に困っているように見える」の物差しは色々です。「私は困っている」と声に出した人に対して「本当に困っている人は困っていると言えないはずだ」のジャッジされることもあります。逆に「困っている人は困っていることを訴えて同じように困っている仲間と連帯するはずだ」という意見もあります。その「正解」をあてないと、「本当は困っていない人」扱いされてしまうようです。
「支援」の現場では、日々そのような声に出会います。「この人は本当に困っていない。だから本当に困っている人から助けて行こう」というようにです。お金がないのに浪費してしてしまう人、働かない人、苦しいのに相談しなかったり病院に行かない人、助言を聞かない人、感謝しない人、学校に行かなくてゲームばかりしている子、暴力を振るう相手から逃げない人、不安定な人間関係を繰り返す人、誰かから「助けてもらって」も文句ばかり言う人、そして声高に「困っている」と訴える人、堂々とした態度の人、身なりを綺麗にしている人、おしゃれに気を遣っている人…どれも「困っているようにみえない」とされてしまうことがあります。
私たちのこども食堂「たべまな」やシェルターにも、たくさんの困りごとを抱えた子どもたち、大人たちがやってきます。ですが、誰ひとり「本当に困っているように」見える人はいません。
笑うし喧嘩をするしサボるし時に嘘もつく。自分の好きなことのためにお金を使って、上手く使えなくてお金がなくなってしまうこともある。好きなことをしてる時間は元気なのに学校や仕事に行こうとするとダウンしてしまう。よくない関係が切れなくて繰り返してしまう。何も言えなくてどんどん苦しさが膨れ上がってしまう人もいれば、あちこちに訴えて「厄介な人」扱いされてしまう人もいる。すごく辛い出来事に見舞われたのに平然といつも通りに振る舞って「本当に被害にあったの?」と言われる人もいる。周りの人とトラブルが絶えなくて「困っている人ではなくて困った人」とされる人もいる。言っていることが二転三転して嘘つきだと言われる人もいる。そしてその誰もが、たべまなでは楽しく笑って泣いて怒って文句を言って、離れたりくっついたりして、普通に過ごしています。
私たちが思い描くような「品行方正で慎ましくて弱々しくて日々常に苦しんでいる人」などいません。そして、たとえば同じ経験をしたAさんとBさんがいたとき、 Aさんは署名を集めたりイベントを開いたりと言ったアクションを起こし、Bさんはそれに関わらずただ沈黙するといったこともあります。
それが自然なことだと思うのです。私たち誰もがそうであるように。人間ってそういう存在のはずなのに、何かの困難の当事者になった途端に「助けたいと思わせる、隙のない当事者らしく振る舞う」ことを要求されるのは、本当に苦しいことではないでしょうか。
むしろ「助けたくなる」ような振る舞いをしている人に出会ったら、それは周囲の「助けたいと思わせてほしい」という期待の枠に自分を閉じ込めてしまっているのではないか、と私はそう推測してみることにしています。
「こども食堂」にも様々な期待があります。たとえば貧困の、あるいは不登校の、何かの事情を抱えた「かわいそうな」子どもたちが来ていて、みんなで助け合って、食事に感謝して過ごしているというものです。私たちたべまなにも、時々大人の支援者の方が見学に来ます。プチプラコスメで盛って綺麗にネイルをして、スマホやSwitchでゲームして、推しにきゅんきゅんきゃーきゃーして、食事のメニューがイマイチ好みじゃない時はパスしたり残したりするし、話したくないことは話さず、答えたくないことには答えず、要らないものには「いらない」と言う。そんな姿を見て、驚いたり、がっかりが隠し切れない人もいます。おそらくは、それぞれのイメージする「こども食堂のユーザー」とはどこか違っているのでしょう。はっきりと「あんまり困っているようには見えないね」と言われることもあります。
私たちにできることは限られていて、いつもいつも「至らなくてごめんなさい」をする日々です。ですが、
困っているように見えないと、不利益を被る
助けたいと思われないと、見放される
それだけは絶対に子どもたちに、つながった人たちに学んでほしくないと、せめてそういった期待や眼差しからの防波堤にはなりたいと、そんな空気を少しでも変えたいと、そう願って活動を続けています。困ってるように見えない?その感想、大歓迎です。
【ご支援のお願い】
様々な事情で1年以上後ろ倒しになってしまった新拠点『午後の青猫』への移転がまもなくスタートします。厳しい年末はなんとか乗り切りましたが、リノベーション資金のうちの自己負担分、新たに買い揃えなければならない備品の費用、移転そのものの費用等、なかなか厳しい状況が続いています。重ねてのお願いになりますが、皆さまからのご寄付で活動を支えていただきたくお願いいたします。
2万円のご寄付が集まればこども食堂を1回開催できます。
5万円のご寄付があれば安全な住まいを必要とする親子を1ヶ月シェルターで保護できます。
施設の移転のためにはあと100万円ちょっとの自己資金が必要です。
少しずつでもお力添えをお願いいたします。
『午後の青猫』は、私たちの活動が誰からも必要とされなくなるような未来が訪れたその後も、KAKECOMIとつながりそこから巣立っていった卒業生たち・関わってくれた仲間たちが自分の「やりたい!」に挑戦する場所として、そして子どもも大人もまっすぐ家に帰りたくない時にふらりと寄り道できる場所として、白河の街角に私たちが残す、プレゼントのような場所になるはずです。
皆さまのご支援で支えていただきたく、重ねてお願いいたします。
お振込・お振替によるご寄付は下記の口座へお願いいたします。
銀行名 : ゆうちょ銀行
支店名 : 八二八 (読み:ハチニハチ、店番:828)
口座科目: 普通預金
口座番号: 1529761
口座名義: ヒエイリニンイダンタイカケコミ
記号-番号:18290-15297611
口座名義 : ヒエイリニンイダンタイカケコミ
ご不要の古本等を使ったご寄付も可能です。詳しくはウェブサイトをご覧ください。
皆さまのご支援に心から感謝いたします。