15/07/2026
第36回「ながさき平和大集会」
2026年7月12日(日)13:30〜15:30 長崎原爆資料館ホール
【報告(要旨)】
2026年7月12日、第36回「ながさき平和大集会」を長崎原爆資料館ホールにて開催しました。
主催:核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会
共催:公益財団法人 長崎平和推進協会
思想・信条や官民の枠を超えて、一般市民が誰でも参加できる、核兵器廃絶と世界の恒久平和を願う市民の集いは、今年で36回目を迎え、猛暑の中、214名にご参加いただきました。
冒頭、主催者の朝長万左男委員長より、多くの先人たちの平和への願いを受け継ぎながら、ながさき平和大集会が開催されてきた歴史が紹介されました。
来賓には鈴木史朗長崎市長が出席し、「核なき世界を実現するためには、被爆地・長崎から核兵器の非人道性を世界へ発信し続けることが重要」とあいさつ。
さらに、結成1年を迎えた長崎市立矢上小学校合唱団が出演し、平和への願いを込めて「クスノキ」「Believe」の合唱を披露。子どもたちの美しい歌声が会場いっぱいに響き渡りました。
続いて、第17回秋月平和賞授賞式では、有原誠治氏、長崎県映画センター、築城昭平氏が受賞。秋月平和賞は、被爆医師の故・秋月辰一郎先生の遺志を継ごうと、2008年に創設されたものです。
有原誠治氏は、秋月辰一郎氏の生涯を描いたアニメーション映画「NAGASAKI 1945 アンゼラスの鐘」の制作を通じて、被爆の実相と核兵器廃絶の願いを国内外へ発信。
長崎県映画センターは、無料貸し出しによる同作品の普及に努め、また、社会問題をテーマとした映画の自主上映活動を通じて、平和文化の発展に貢献されました。
99歳の被爆者・築城昭平氏は、最高齢の語り部として、これまで1200回以上講話を行い、被爆体験の継承や国内外への発信を続けてこられた功績が称えられました。
さらに、高校生平和大使が登壇し、スイス・ジュネーブやニューヨークで行った活動を報告。テーマソングである「この声を この心を」を、素敵な歌声で合唱しました。
次に、ナガサキ・ユース代表団が、NPT再検討会議の参加報告を行いました。世界各国の若者や関係者との対話から学んだこと、核兵器廃絶には相互理解と信頼の構築が不可欠であることを発表しました。
続いて、長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)副センター長で教授の樋川和子氏による講演が行われました。
テーマは「核なき世界に向けて NPT再検討会議か読み解く現状と課題」。まずNPT(核兵器不拡散条約)再検討会議の意義について詳しく解説しました。NPT第8条に基づき、5年ごとに開催されるこの会議は、条約の目的や規定が適切に運用されているかを検証する場であり、単に「成果文書を採択するための会議」ではないことが紹介されました。
また、核兵器廃絶を進めるためには、NPT加盟国だけでなく、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮など核兵器をめぐる重要な課題にも向き合う必要があると指摘。
「核兵器のない世界」を実現するには、条約の枠組みだけでなく、対話を通じて国際社会全体で解決への道を探ることが重要だと訴えました。
また、NPTの場には政府代表だけでなく、市民社会や若者、NGOなども参加しており、ナガサキ・ユース代表団をはじめとする若い世代の発信にも大きな意義があると紹介されました。
質疑応答では、市民社会の役割、NPTを取り巻く国際的な変化など活発な議論が行われました。
樋川氏は、核保有論に対して、「核兵器を持つことが果たして本当に安全につながるのか、幅広い視点で考える必要がある」と述べました。
最後に、升本由美子副委員長から、「平和の実現のために、それぞれが自分にできる行動を」との呼びかけがありました。
世界情勢が緊迫する今だからこそ、被爆地・長崎から平和の声を届け続ける意義はますます大きくなっています。本集会は、世代を超えて平和への思いを共有し、未来へとつないでいく、意義深い集いとなりました。