03/06/2026
【スウィング公共図書館 蔵書紹介:人文・思想】
愛と家事/太田明日香
愛と家事という題名で
しあわせな結婚生活を想像しますよね。
でもこの本は全く違って
家族をつくることに失敗したり、
家族とは愛情で繋がれた関係だと
思っていたけど、
愛の重さに溺れそうになったり、
愛することで許していたら
関係がどんどんだめになる。
愛の扱いづらさ、もろさに苦しんだ
著者のエピソードが書かれています。
これは女性ならどこかで共感する
場面が多いはずです。
母と娘の関係、祖母と孫の関係が違うように、
母もまた娘であって親のために
自分の子供を利用するところがある。
親子関係の解釈なんて
いくらでもできるけれど、
私も遠からず似た境遇にあり、
あっという間に読んでしまいました。
母に願うのは、私を自分とは違う個性を
もった人間だと認めてほしい。
この文章にめちゃくちゃ頷きました。同感です。
それから著者は離婚と再婚も経験してます。
元夫には「男のくせに」と
言葉や暴力でDVもしているのに、
自分が暴力をふるわれるまでダメだと
離婚という選択肢に思い至らなかった。
どっちが悪いのか、夫婦のことは
夫婦にしかわからないと言いますが、
自分に何が起こったのか知りたくて
本を読み知識を得て、
自分は元夫の精神的に依存する
お母さんだったと語ります。
だから母や妻の味が家庭をつくるという
呪縛に反発し、愛と家事を切り離したいと
訴えます。
フェミニズムにも触れ、男性が働く前提で
作られた社会で女性にとって平等でない理由を
見出して是正するための思想だと考える。
著者にとってフェミニストの定義は
性別関係なしに人を尊重する人のこと。
そしてカナダに滞在した経験から、
家族や男女交際の捉え方にも疑問を呈します。
日本では子どもは家に属し、
カナダでは個人という考え方が強い。
婚姻制度に対しても、法律で色々要件をつけて
不貞行為はダメとか、同居している前提とか
そこまで行動を制限されるのかは、
私も読んでて目からウロコでした。
そうだよな、普通に私生活に
踏み込み過ぎじゃない?
法律って何のためにあるんやろ、と
そんなことを考えた一冊でした。
(たなかこまり)
#愛と家事
#スウィング公共図書館