茨木西ロータリークラブ

茨木西ロータリークラブ 国際ロータリー 第2660地区 茨木西ロータリークラブ

07/06/2026

地方の過疎地における事業承継と新規ビジネス〜「新得モータースクール」の挑戦〜

北海道恵庭市に拠点を置く西村英晃氏(恵庭ロータリークラブ所属)は、中古車販売や車検、修理、レンタカーといった車関連事業を軸に、独自のスタイルで事業を広げてきました。その特徴は、信頼できる外注業者に業務を任せ、強固な人脈を生かしながら経営を進めていく点にあります。

この姿勢の根底にあるのが、ロータリーの「四つのテスト」です。言行はすべて「真実かどうか、みんなに公平か、好意と友情を深めるか、みんなのためになるかどうか」。西村氏は、この指針が自身の仕事に深く根付いており、それが事業の成功につながっていると語ります。ロータリアンが日々の判断のよりどころとするこの基準を、ビジネスの現場で実践し続けてきたのです。

40代にして年商1億円を超えた西村氏は、ハワイ産桑茶の販売や葬儀受付業務へと事業を多角化させていきました。そして次なる挑戦として選んだのが、北海道十勝地方の新得町にある自動車学校の経営を引き継ぐことでした。

よそ者の視点に託された事業承継と過疎の町のポテンシャル

新得町は、かつて1万6000人弱だった人口が5500人弱にまで減少した過疎地です。「新得モータースクール」はもともと青森の会社が経営していましたが撤退し、その後は地元の支援によって存続してきました。

前社長の武田直幸氏は、ただ後継者を探していたわけではありません。教習生が減少しても経営が成り立つよう、新得地鶏の販売や町バスの運行といった収益の仕組みをあらかじめ整えたうえで、新得町に未来を描ける新しい人材を求めていました。そこで白羽の矢が立ったのが西村氏です。町外の人間ならではの新鮮な視点と豊富なアイデア、人脈を持ちながら、石橋を叩いて渡るような慎重さも併せ持つ点が高く評価され、武田氏は1年近くをかけて西村氏を口説き、社長就任を承諾してもらいました。

武田氏がこれほど外部人材にこだわったのには理由があります。長く同じ町に住んでいると、地域の良いところも悪いところも見えなくなってしまう。だからこそ、町外から来た西村氏のような新鮮な意見が重要だと考えたのです。近隣の富良野がリゾート地として急速に発展する、いわゆる「ニセコ化」が進むなか、新得町もまだ大きく化ける可能性を秘めていると武田氏は捉えています。もともと北海道が移住者の手によって開拓された歴史を持つこともあり、外部からの視点がもたらす新しい取り組みには、大きな期待が寄せられています。

外国人技能実習生という新たなターゲットへの挑戦

現在、モータースクールの主な収益源は、卒業を間近に控えた高校生や、高齢者講習です。西村氏はこの既存の基盤に加え、新たなビジネスモデルの構築を見据えています。着目したのは、十勝エリアの農業などを支える外国人技能実習生の増加という社会の変化です。

日本の運転免許を取得したいという外国人労働者のニーズは、今後さらに高まると見込まれます。そこで西村氏は、フィリピンやインドネシアから実習生を300人規模で受け入れる計画を持つ友人の起業家と連携し、免許の必要な実習生には新得モータースクールで取得してもらうという送客の構想を進めています。自らの人脈をフルに生かし、これまでにない新しい顧客層を開拓しようとしているのです。

地域との融和が育む夢と希望

週に2日を新得町で過ごす西村氏は、札幌周辺の都市部とは異なる時間の流れに魅力を感じています。ゆったりとしたスローな時間と、居酒屋に人が自然と集まってくるような温かい人間関係。そうした地方ならではの豊かさが、この町にはあります。

町内を歩けば住民から相談を持ちかけられるなど、西村氏はすでに期待を集める新しい顔として受け入れられています。町の幹部に対して国際協力を提案するなど、出しゃばりすぎない範囲で積極的に地域と関わる姿勢も、地元の信頼につながっています。「過疎の町ではあるけれど、新得には夢と希望がある」。西村氏はそう語り、地域が秘めるポテンシャルと自身のビジネス手腕を掛け合わせた挑戦に、確かな自信を見せています。

https://www.ibaraki-west-rc.com/column/2275/

07/06/2026

サプライチェーンの透明化と企業倫理〜「ブラックサンダー」有楽製菓の決断〜

有楽製菓は、関東と関西の中間に位置する豊橋に工場を構え、もともとは駄菓子屋向けのチョコレート製造を主力としていました。やがて、コンビニエンスストアでのPOSシステムの普及や、体操の内村航平選手がメディアで「ブラックサンダーが好きだ」と語ったことなどが起爆剤となり、看板商品である「ブラックサンダー」は全国的な大ヒットを記録します。

事業の拡大に伴い、老朽化した工場に代わる新工場を建設したとき、当時社長を務めていた河合伴治氏は、ある思いを強くしました。会社の成功は決して自分たちの力だけによるものではなく、商品を支持してくれる顧客、現場を担う従業員、そして地域社会の協力があってこそ実現したものだという実感です。河合氏はこの感謝を出発点として、利益の追求にとどまらず、自分たちにできる社会貢献活動を始めていこうと決意しました。

「作る人」の犠牲という見落としていた現実

有楽製菓は「夢のあるお菓子を通じて、有楽製菓に関わるあらゆる人々を笑顔にする」というビジョンを掲げていました。ところが十数年前、商工会議所での講話をきっかけに、河合氏はこの理念を根底から問い直すことになります。

それは、チョコレートの原料であるカカオ豆の生産現場に関する事実でした。アフリカやアジアの途上国にあるカカオ農園では、学校にも通えないまま働かされている児童労働者が世界で約1億6000万人、子どもの10人に1人にのぼるという過酷な現実があったのです。河合氏はこのとき初めて、自社の言う「あらゆる人」が、実際には「食べる人」の笑顔しか指しておらず、原料を「作る人」である子どもたちの苦しみを見落としていた事実に気づかされました。掲げてきた理念と現実との隔たりに、強いショックと深い反省を抱いたのです。

取引先を変える覚悟と苦難の調達交渉

気づきは、行動へとつながりました。児童労働に関わらない原材料を使うため、有楽製菓はまず、長年取引を続けてきた日本の大手メーカーに対し、児童労働の関わっていないチョコレート生地を供給してほしいと要請します。

しかし返ってきたのは、冷ややかな対応でした。「そんなことをしても児童労働はなくならない」とむげに断られ、社長へ直談判を重ねても相手にされません。日本のメーカーの反応の鈍さに直面した有楽製菓は、当時すでに日本で販売を始めていたスイスのチョコレート生地メーカーへ相談を持ちかけました。すると、対応可能だという前向きな返答を得られたのです。

有楽製菓は、長年築いてきた取引関係を断ち切る覚悟で、調達先をスイスのメーカーへ切り替えました。なお、危機感を抱いた日本のメーカーが実際に同等の供給を行えるようになるまでには、そこからさらに3年の歳月を要したといいます。理念を貫くための決断が、業界をわずかながら動かす一歩となりました。

損得を超えて選んだ正しい道

児童労働に配慮した原料調達は、調達の難易度を上げ、コストの増加も避けられません。そのため社内の担当者からは「絶対に続かないからやめてほしい」と猛反対を受けました。

それでも河合氏は、世の中がコストパフォーマンスやタイムパフォーマンスといった損得勘定ばかりで動いていることに疑問を投げかけます。そして「あらゆる人を笑顔にする」という信念のもと、安易な道に流されず、自分たちが正しいと確信する道を選び取りました。

現在、「ブラックサンダー」を含む同社のチョコレートは、100%児童労働に配慮された原料を使用しています。さらにパッケージの裏面には「セイム・ハッピー・フォー・チルドレン」という自社のロゴと、取り組みを説明する特設サイトへの二次元コードを掲載しました。無駄だと言われながらも、消費者への啓発を粛々と続けているのです。効率や利益を最優先しがちな時代だからこそ、企業が何を大切にすべきかを、この姿勢は静かに問いかけています。

すべての人の笑顔へ向けた次の一歩

途上国における児童労働問題の解決や学校教育の支援を進める一方で、河合氏の視線は日本国内の課題にも向けられています。

日本には学校へ通えない不登校の子どもたちが何万人も存在し、自殺者の数も少なくありません。河合氏は、単に労働をなくして学校へ行けるようにすることが、子どもたちにとって本当の幸せに結びつくのかという本質的な問いと向き合っています。今後は、日本国内の子どもたちが抱える悩みや不登校といった問題にも、正面から取り組んでいきたいと語ります。

作る人も、買う人も、食べる人も、関わるすべての人々が本当の意味で笑顔になれる企業へ。有楽製菓の挑戦は、サプライチェーンの透明化と企業倫理が決して理想論にとどまらないことを、一粒のチョコレートを通じて示し続けています。

https://www.ibaraki-west-rc.com/column/2273/

07/06/2026

地域コミュニティ再生と空き家活用〜社会課題を解決する企業の参画〜

和歌山県田辺市では、全国的な傾向である核家族化が進み、地域のなかで人と人とが関わる機会が少しずつ失われています。身近に頼れる相手がいないために孤独を感じたり、子育ての悩みを気軽に相談できる場所が見つからなかったりする家庭も少なくありません。こうした状況に対し、行政も「田辺市こども家庭センター」を設置して子育て支援に取り組んでいますが、行政の施策だけで地域のつながりを取り戻すことには限界があり、民間の参画が求められていました。

加えて、田辺市には地域特有の事情もありました。津波などの災害対策として市役所が浸水想定区域から外れる高台へ移転したことなどが影響し、市内の平地では空き家が増加していたのです。人と人とのつながりの希薄化と、活用されないまま残される空き家。この二つの社会課題をいかに結びつけて解決へ導くかが、地域全体の問いとなっていました。

NPOのニーズから始まった協働の取り組み

転機となったのは、子育て支援を行うNPO法人「南紀こどもステーション」から寄せられた一つの要望でした。同法人とは以前から交流があり、活動をさらに広げていくために拠点となる場所がほしいという現場の声が、クラブのもとへ届いたのです。

そこでクラブは、増え続ける空き家を有効に活用し、子育て支援の拠点として整備するプロジェクトを計画しました。地域が抱える二つの課題を一度に解決へ向かわせる構想です。総額200万円規模の事業として地区補助金を申請し、活用できる不動産物件の調査に乗り出しました。資金と人的なリソースの双方を地域へ還元していくこの取り組みは、社会課題の解決に民間が参画する一つのかたちといえます。

物件取得をめぐる行政手続きと税務の壁

実際に動き出すと、いくつもの壁が立ちはだかりました。

まず物件探しでは、市役所の空き家バンク担当者から情報を得ることで、候補となる物件を見つけることができました。ところが、家主がNPOへ物件を無償で提供する意向を示してくださったものの、そのまま譲渡すると家主側に税金が発生してしまうことが判明したのです。会員は市役所や税務署と粘り強く協議を重ね、税負担を軽減できる方法を見いだし、最終的にNPO側への登記を無事に完了させました。

さらに、トイレの水洗化に伴う浄化槽の設置でも難題に直面しました。施設を「住宅」とみなすか「事業所」とみなすかによって必要な浄化槽の規模が変わるため、その判断が難しかったのです。設置数を確定させるため、NPOや県を交えた相談を重ね、結論にいたるまでにおよそ2ヶ月を要しました。一つひとつの行政手続きを丁寧にクリアしていく地道な過程が、拠点づくりの土台となりました。

会員総出の奉仕活動と資金面の取り組み

取得した物件には、前の住人が残した家財が数多くありました。ここで力を発揮したのが、ロータリーが大切にする奉仕の精神です。クラブ会員とその家族など総勢35名が自ら手を動かし、残された不用品を一つずつ取捨選択しながら、2トントラック10台分にのぼる荷物を搬出しました。

作業は屋内にとどまりません。隣地で伸び放題になっていた樹木をチェーンソーで伐採して運び出し、崩落していた避難路には迂回路を設置するなど、実践的な労力支援にも踏み込みました。なお、搬出したごみの処分費用については市が負担しています。

資金面では、トイレの水洗化や内部の改修などに総事業費292万円が必要となりました。この費用は、ロータリー財団からの地区補助金127万円と、クラブの支援金165万円を組み合わせてまかなっています。補助金と自己資金を適切に組み合わせることで、無理のない事業運営を実現しました。

完成した拠点と地域の未来への展望

拠点が完成した後には、NPOや市役所の担当者を交えた意見交換会を開きました。現場の声を何よりも尊重するための場であり、立場を超えた率直な意見や、実際の運営に役立つ実践的なアドバイスが共有されました。

南紀こどもステーションの代表からは、リフォームだけでなく、掃除や片付け、避難路の整備にまで及んだ会員の奉仕によって、親子が安心して集える環境が整ったことへの感謝の言葉が寄せられました。そして、この場所を地域の未来につながる拠点として育てていきたいという決意が語られています。

一つの空き家が、子育て世代を支え、人と人とをつなぐ場所へと生まれ変わりました。社会課題の解決に向けて民間が知恵と労力を持ち寄ることの意義を、この取り組みは静かに示しています。

https://www.ibaraki-west-rc.com/column/2271/

07/06/2026

第1507回(25年度39回、令和8年5月20日(水))例会 / 小豆島の旅

【要約】

第1507回オンライン例会では、澤田会長がロータリーバッジにまつわるエピソードを交え、世界のロータリアンがすぐに仲良くなれる理由を語りました。佐々木知会員によるゴールデンウィークの小豆島旅行とサーキット走行会のスピーチもあわせてお届けします。

【詳細報告】

■会長の時間

澤田裕仁会長は、「ロータリーの親睦活動」をテーマに、世界のロータリアンがなぜ仲良くなれるのかを語りました。

題材としたのは、ロータリーの友5月号の「あるある相談室」で紹介されたロータリーバッジにまつわるエピソードです。フィリピンの空港でセキュリティチェックの警備員がバッジを見て「オー!ロータリアン」と声をかけ、スムーズに通してくれた話をはじめ、海外の学会でバッジを付けた日本人医師が現地の病院長と意気投合して親交を深めた話、シカゴ見本市の主催者が商談で訪れた大阪城東ロータリークラブ会員のバッジに気づき、同じロータリアンとして声をかけたことで商談が円滑に進んだ話など、過去の事例も交えて紹介しました。

一方で、ロータリーの善意を悪用するRIの詐称メールや詐欺メールへの注意喚起がこれまでも出ていることに触れ、こうした行為は結果的に信頼関係や仲間意識を損なうため注意が必要だと呼びかけました。そのうえで、ロータリークラブは奉仕に基づく人々の集まりであり仲間であること、だからこそ世界中どこで出会ってもすぐに仲良くなれることを述べ、末永くロータリアンであり続けようと締めくくりました。

■佐々木知会員のスピーチ

佐々木知会員が、ゴールデンウィークに訪れた小豆島の旅行記を披露しました。

兵庫県の姫路港まで車で1時間半ほど走り、車ごとフェリーに乗り込んで瀬戸内海を1時間半かけて渡る行程で、乗船したのは車を100台程度積み込める「オリーブライン」という大型船でした。小豆島では、坪井栄の「二十四の瞳」の舞台となった小学校(当時の校舎の建設費用は1045円とのことで、円安の今では考えられない金額です)、レトロな扇風機やオート三輪が並ぶ昔の街並みを再現したエリア、辛口から甘口まで揃う島内唯一の小豆島酒造、日本で初めてオリーブが植林された樹も残るオリーブ公園などを巡りました。本州に戻ってからは、フェリーの待ち時間に姫路城も訪問し、広大な城下町や防御のための仕掛け、天守閣最上階からの眺めを紹介しました。

さらに、大阪府医師会の誘いで参加した岡山国際サーキットの走行会についても触れました。ナンバー付きレースのカテゴリーで自走して向かい、F1も開催可能な広いコースを走行しました。1000馬力以上のEVで参加し、42台のエントリー中EVは1台のみという顔ぶれのなか、走行成績は2位という結果でした。



https://www.ibaraki-west-rc.com/regular_meeting/2264/

07/06/2026

第1506回(25年度38回、令和8年5月13日(水))例会

【要約】

第1506回例会では、青少年奉仕月間にちなみ、茨木ローターアクトクラブの花岡翼会長を迎えて青少年奉仕フォーラムを実施しました。RACの現状と課題を共有し、どうすれば出席率を安定させられるかを会員全員で話し合いました。

【詳細報告】

■会長の時間

澤田裕仁会長は、5月の青少年奉仕月間にあわせ、ロータリーの友5月号の推奨記事を紹介しました。

フランチェスコ・アレッツオRI会長は挨拶のなかで、具体的な青少年奉仕事業に触れ、若者を育てることの重要性と、若いリーダーをクラブや活動に迎えることの必要性を述べています。若者への投資は、未来のリーダーを育てるだけでなく、今このときのロータリーをより強くするものであり、これはロータリーに限らずどんな組織にも必要な視点だと紹介しました。

このほか、日本とアルゼンチンの青少年交換事業の特集、戦争下でもクラブ数と会員数が増え続けるウクライナへの変わりゆく支援のかたち、吉川ガバナーが語る3つのロータリー・モメント(タンザニアの国際奉仕事業、地区晩餐会、チャリティボーリング大会)などを取り上げました。

さらに、50歳を機にトランスジェンダーであることを公表したロータリアンの記事から、多様性を認めるこれからの社会でロータリーが果たすべき役割の大きさにも言及しました。



https://www.ibaraki-west-rc.com/regular_meeting/2262/

21/05/2026

第1505回(25年度37回、令和8年4月22日(水))例会 / 低リスクで始める土地活用の新潮流 コインパーキング事業の市場背景と導入メリット

【要約】

2026年4月22日、第1505回例会を開催しました。会長の時間では食品廃棄物(フードロス)削減の取り組みを紹介、外部スピーチでは平成産業株式会社取締役の清水一秀様(清水会員ご子息)が空き土地を活用したコインパーキング事業について解説しました。一昨年の交換留学生アガットご家族の茨木来訪も報告されました。

【詳細報告】

■会長の時間

世界で生産される野菜、肉、果物などの食べ物の3分の1は食卓に上ることなく失われています。畑で未収穫のもの(傷・規格外等)や貯蔵庫でそのまま廃棄されるもの、冷蔵庫の奥で忘れられてごみとなるものなど、その原因はさまざまです。食べられない食糧はエネルギー、土地、肥料といった資源の浪費となり、ごみの埋め立て地では食品廃棄物から温室効果ガスであるメタンガスが排出されます。食べられなかった食料が廃棄されるまでに大気中へ放出する二酸化炭素の量は、毎年440万ギガトン(1ギガトン=10億トン)に相当するといわれています。

フードロス問題は海外を含む全国のロータリークラブで取り上げられているテーマであり、わが国でもフードバンクへの寄付、子供食堂や困窮世帯向けの食料品提供、消費期限間近や規格外野菜の活用といった取り組みが進められています。当クラブのホームページでも、フードロス削減に取り組む茨木市の事例をコラムで紹介しています(2024年11月の記事)。仙台ロータリークラブのニュース動画も参考事例として紹介されました。

最後に、一昨年の交換留学生アガット(Agate)さんのご家族が先日茨木に立ち寄った際の写真が共有されました。

■清水一秀様による外部スピーチ「空き土地を活用したコインパーキング事業」

平成産業株式会社 取締役の清水一秀様より、土地活用の新たな選択肢としてコインパーキング事業についてスピーチがおこなわれました。

近年、土地活用を取り巻く環境は大きく変化しています。固定資産税の負担が継続的に発生する一方で、未活用地を抱えたまま収益化できないケースも少なくありません。また自動車保有台数の伸びが鈍化する中でも、短時間利用を中心とした駐車需要は着実に増加しています。こうした市場環境を踏まえ、「所有」する土地から「利用」する土地へと転換する、低リスクかつ安定的な収益を見込める土地活用手法としてコインパーキング事業が提案されました。

【市場背景①市場規模】

駐車場市場は8,086億円規模であり、フィットネス市場やカラオケ市場と同等の市場規模を有しています。自動車保有台数は12年連続で減少しており、1世帯あたり1台の割合となっています。

【市場背景②カーシェアによる需要の拡大】

カーシェア市場は直近で年10〜20%の成長を示す成長産業です。維持費等の負担軽減を理由に、若者を中心に車を持たない流れが広がっています。

【運用方式】

運用方式は2種類あります。「じぶんで駐車場経営」は、土地所有者が周辺機器を購入してスタートする方式で、保守管理や集金業務、オペレーションはすべて委託します。「おまかせ駐車場経営」は、土地を委託会社へ賃貸借契約により貸し出し、駐車場の売上に関係なく一定の賃料収入を得る方式です。

【導入メリット】

土地所有者にとっては、土地を自身で管理するコストが不要で、駐車場としての土地ニーズが高まっているため空き土地になりにくいというメリットがあります。事業者側には、上物がないため土地の汎用性が高く、空室状況が発生しない安定収益が確保できるほか、地域インフラとしての活用や古紙ステーションとのシナジー効果も期待できます。

【導入スケジュール】

図面の提示後に見積と仕様を決定し、スペースに対する設置台数を協議します。機械発注後に設置工事を開始し、発注から約2〜3週間でオープン可能です。

【メリットとデメリットのまとめ】

メリットとしては、建物不要で短期撤退も可能な低リスク性、集金・清掃・クレーム対応を全委託できる管理不要性、景気の影響を受けにくい安定収益、古紙回収拠点との組み合わせによる地域インフラと社会貢献が挙げられます。

一方デメリットとしては、立地依存が大きいため認知度と競合調査が重要であること、市場の成熟化により費用と売上のバランスを見極めることが大切であることが指摘されました。

https://www.ibaraki-west-rc.com/regular_meeting/2234/

21/05/2026

第1504回(25年度36回、令和8年4月15日(水))例会 / 税務調査の対象は55社に1社 国税庁データから読み解く日々の経理管理の重要性

【要約】

2026年4月15日、茨木西ロータリークラブはオンライン例会として第1504回例会を開催しました。会長の時間ではポール・ハリスの生誕記念日と環境月間にちなんだブラジルの森林農業プロジェクトを紹介、スピーチでは後藤美加会員が国税庁データをもとに税務調査の実態と日々の経理管理の重要性を解説しました。

【詳細報告】

■会長の時間

澤田裕仁会長より、まずロータリーの創設者ポール・ハリスにまつわるクイズが出されました。

ポール・ハリスの生誕記念日は1868年4月19日です。

続いて、4月の環境月間にちなんだプロジェクト事例として、ブラジル第4391地区のマセイオ・ファロール・ロータリークラブ(Rotary Club de Maceio-Farol)が地元農家とともに取り組む「プランティング アグロフォレストリー(Planting Agroforestry/森林農業を育てる)」プロジェクトが紹介されました。

このプロジェクトは、持続可能な植林と有機農業を組み合わせることで土壌の持続可能性を高め、農産物の生産を増やす取り組みです。その結果、農家たちは余剰作物を市場で販売できるようになり、地域経済にも好影響をもたらしています。ロータリー会員のJose Roberto Santos氏とFlavio Lima氏は、このプロジェクトについてインタビューに応じています(2021年2月)。

無農薬の有機栽培を広げることで世界にインパクトをもたらすロータリー活動の好例といえます。

■親睦委員会サイクリング報告(競亮三会員)

競亮三会員がしまなみ海道へのサイクリング報告をおこないました。

4月12日と13日の2日間、しまなみ海道を訪れ、美しい瀬戸内海と島々の景観を楽しまれました。船での渡航がわずか200円という手軽さや、ご当地バーガーの紹介もあり、グルメとサイクリングを組み合わせた企画への期待が高まる報告となりました。

■後藤美加会員のスピーチ「税務調査って、どこを見られているのでしょうか? ~国税庁データから見えること~」

後藤美加会員より、国税庁の公表データをもとに税務調査の実態について解説するスピーチがおこなわれました。

税務調査は特別な会社だけに関係するものと思われがちですが、令和6事務年度の法人税の実地調査件数は約5万4千件あり、法人税申告法人数を基にするとおよそ55社に1社の割合となります。一般の会社にとっても身近なテーマです。

税務署が確認しているのは、売上、経費、所得率といった数字です。これらを同業比較や過去の推移とあわせて確認しており、近年では調査対象の抽出にAIも活用され、税務調査がよりデータ分析に基づくものへと進化しています。

また、税務署は申告書だけを見ているわけではありません。支払調書、不動産取引資料、金融情報など、さまざまな外部資料を活用しています。金地金等の売買や生命保険の一時金なども、一定の場合には資料提出の対象となります。これらの資料と申告内容を照合しながら確認が行われています。

実際の税務調査で問題になりやすいのは、難しい税法の論点よりも、売上計上漏れ、経費の私的利用、在庫管理など日々の経理の基本的な部分です。所得税調査では、事業所得を有する個人の申告漏れ所得金額が高額な上位業種の中に眼科医が含まれている例が示され、自由診療の売上管理の重要性にも言及されました。

スピーチの結論として、税務調査を「怖いもの」として捉えるのではなく、税務署がデータや資料をもとにどのように申告内容を見ているのかを理解し、難しい税法よりも日々の経理管理が大切であるというメッセージが伝えられました。

https://www.ibaraki-west-rc.com/regular_meeting/2230/

21/05/2026

第1503回(25年度35回、令和8年4月8日(水))例会

【要約】

2026年4月8日、茨木西ロータリークラブは第1503回例会を開催しました。会長の時間では「ロータリーの友」4月号の推奨記事として環境月間に関する奉仕事例を紹介、会員研修では「四つのテスト」の創案者ハーバート・テーラーの生涯と理念を学びました。大阪北浜ロータリークラブから来訪者をお迎えしました。

【詳細報告】

■会長の時間

澤田裕仁会長より、「ロータリーの友」2026年4月号の推奨記事が紹介されました。

4月は「環境月間」であり、横組み記事のp5からp13まで、環境にかかる奉仕事例が掲載されています。環境という言葉が示す対象は多岐にわたっており、特に環境分野で日本初のグローバル補助金承認を受けた新潟西ロータリークラブの軌跡など、日本のクラブや地区が関わった事例は今後の参考になる内容です。

ロータリーアットワークのコーナーでは、当地区の大阪梅田東ロータリークラブによる記事「縁が導いたクリスマスパーティ」が紹介されています。元阪神タイガース監督である矢野燿大氏が代表を務めるNPO法人との縁から生まれた、よいことのために手を取り合った活動事例です。

「卓話の泉」には、当地区の大阪ロータリークラブのスピーチから「夜の公共圏・スナック」と題した記事が掲載されています。スナックの役割について語られた内容は、多くのロータリアンにとって興味深い内容となっています。

■会員研修

割愛

https://www.ibaraki-west-rc.com/regular_meeting/2228/

06/05/2026

ゼロから新たな分野を創り上げた上野英三郎博士に学ぶ、新規事業立ち上げと人材育成の極意



「忠犬ハチ公」の飼い主として、上野英三郎博士の名を耳にされた方は多いのではないでしょうか。しかし、博士のもうひとつの顔、すなわち「農業土木学」の創始者という側面については、意外にも知られていないようです。

博士は、世界のどこにも存在していなかった「農業土木学」という学問分野を、まさに無から創り出した人物です。日本の農業近代化が急務とされていた時代、何もない状態から新たな学問体系を築き上げ、日本の農業土木事業が世界に冠たるものとなる土台を整えました。

この偉業は、単なる学術上の功績にとどまりません。何もない状況から新しいシステムを構築した博士の歩みには、現代の経営者にとっても示唆に富む知見が数多く含まれています。本稿では、博士の軌跡をたどりながら、新規事業の立ち上げと人材育成における本質的な要点を読み解いてまいります。

時代の要請に応え一人で「ゼロからイチ」を創出した新規事業立ち上げの極意

博士が直面した状況は、想像を絶するものでした。1899年に「耕地整理法」が制定されたことで、水田の区画整理や灌漑・排水といった農地盤の整備が国家的急務となります。ところが、当時の日本には農業土木という学問分野そのものが存在せず、科学技術も教科書も、教育を担う組織すら整っていませんでした。

さらに困難であったのは、海外にも参考となる前例がなかった点です。欧米諸国においても水田稲作に関する科学技術は未発達の領域であり、海の向こうから知見を取り入れる道も閉ざされていました。

そのような状況下、当時28歳で講師に着任したばかりの上野博士は、先輩から事業を託され、自らの手ですべてを構築する道を歩み始めます。たった一人の研究者として、農業土木学で扱う全分野の研究をほぼ独力でカバーし、学問分野そのものを確立させたのです。

ここに、新規事業立ち上げの本質が見えてまいります。市場も顧客も、ノウハウさえ存在しない領域に踏み込むとき、リーダーに求められるのは圧倒的な当事者意識と、すべてを自らの手で形にする行動力です。前例のない分野で「ゼロからイチ」を生み出す挑戦は、現代のイノベーションにそのまま重なります。

暗黙知のシステム化と教育体制の構築という人材育成の極意

新たな分野を切り拓くだけでは、社会的インパクトは限定的です。博士の偉大さは、自らが築いた知見を組織的に広め、業界全体を担う人材を育成した点にあります。

それまでの農業土木の技術は、技能者への弟子入りという口伝に頼るほかありませんでした。属人化した暗黙知を、博士はわずか4年間で5冊の教科書として執筆し、誰もが科学技術に基づいて農業土木学を学べる形に整えます。個人の経験知を、再現可能なシステムへと転換した瞬間です。

加えて博士は、農商務省の耕地整理講習制度の責任者を約20年間にわたって務め、3,119人もの技術者を育成しました。彼らが全国の耕地整理事業の担い手となり、博士の知見は日本全土へと広がっていきます。

教育基盤の整備にも力を尽くしました。授業科目の選定から教員の手配まで、ほぼ一人で担いながら、東京帝国大学農学部内に農業土木学の専修コースを設置します。組織的かつ持続的に人材を育てる仕組みを、自らの手で築き上げたのです。

経営の現場においても、優秀な担当者の暗黙知をいかにマニュアルや研修制度として形式知化するかは、組織の成長を左右する重要な課題です。博士の取り組みは、企業内教育の優れたモデルケースとして学ぶべき要素に満ちています。

社会を支える「仕組み」作りに見る長期的な視点と持続可能なビジネスモデル

博士が構築したシステムは、その死後も長きにわたって社会に恩恵を与え続けました。

象徴的なのが、博士が教科書で推奨した「鴻巣式」に基づく「30a標準区画」という圃場整備手法です。100メートル×30メートルの水田に用排水路と道路が付くこの形は、戦後の農林水産省の補助事業として大ヒットし、現在でも日本の6割以上の水田で採用されています。

この整備による波及効果は、農業の枠を超えて広がりました。水が自由に使えるようになったことで農業が効率化され、浮いた時間と労働力が都市の商工業に供給されます。結果として、農家の兼業所得を増やすと同時に、日本の高度経済成長を下支えする大きな要因となりました。一つの「仕組み」が、半世紀以上にわたって国の経済構造を支え続けたのです。

ここから経営者が学ぶべきは、長期的なビジョンを持って社会課題を解決する「持続可能なシステム」を設計する視点です。目の前の収益を追うのではなく、五十年、百年先まで価値を生み続ける構造を築くこと。それこそが、本物の経営者に求められる仕事ではないでしょうか。

上野博士から現代の経営者が学ぶべきリーダーシップ

上野博士が確立した水田農業土木の技術体系は、世界に類例のないものとして、現在もアジアやアフリカの稲作における基本技術として教えられています。世界的な食糧問題という現代の課題にも、博士の知見はつながり続けているのです。

博士は耕地整理を「農業経営上最有益の状態に耕地を改良する」と定義していました。この言葉に表れているとおり、博士が広めた整備手法は、兼業農家の所得を増やし、都市に労働力を供給するという形で、最も有益な事業として社会に貢献し続けてまいりました。

「仕組み」としての学問と教科書、そして「人」としての技術者の育成。この二つを同時に築き上げたことが、博士の業績がこれほどまでに大きな社会的インパクトを生んだ要因です。

リーダーの使命は、目先の利益を追求することにとどまるものではありません。未来の基盤となるシステムを構築し、次世代を担う人材を育てること。本物のリーダーシップとは、こうした営みの積み重ねから立ち上がってくるものなのでしょう。一頭の忠犬とともに記憶される博士の名は、その教えを今もなお、私たちに静かに語りかけているように思えてなりません。

https://www.ibaraki-west-rc.com/column/2212/

14/04/2026

超高齢化社会の「サードプレイス」 進化する”スナック”の新たなビジネスモデル

激減するスナックと飲食業界が直面する危機

1960年代に定着し、昭和の社交場として長く親しまれてきたスナック。しかし近年、その数は急速に減少しています。経営者の高齢化や後継者不足、さらにコロナ禍の打撃が重なり、約10年前には10万軒以上あった店舗数が、現在は約4万4000軒にまで激減しました。

スナックだけの問題ではありません。飲食業界全体が、食材費や人件費の高騰、人口減少に伴う深刻な人手不足に直面しています。帝国データバンクの統計によれば、2025年上半期の飲食店倒産件数は過去最多を更新しており、業界を取り巻く環境はかつてないほど厳しさを増しています。

超高齢化時代に求められる「サードプレイス」

その一方で、スナックのような場所が社会に果たしてきた役割は、むしろこれまで以上に重要になりつつあります。

かつての日本とは異なり、現代は退職後の人生が非常に長くなりました。定年を迎えた後も、人が心豊かに暮らし続けるためには居場所が欠かせません。自宅を「第一の場所」、職場を「第二の場所」とするなら、それらに次ぐ「第三の場所」、すなわち「サードプレイス」の存在が大きな意味を持ちます。

超高齢化が進む中、家庭や病院以外で他者と交流し、社会性を維持できる場所の必要性は今後さらに強まっていくと指摘されています。人とのつながりを日常的に感じられる場があるかどうかが、高齢者の生活の質を大きく左右するのです。

高齢者を支える「介護スナック」の登場

店舗数そのものは減少傾向にあるスナックですが、レトロ文化としての再評価に加え、現代社会のニーズに応える新たな形態が生まれ始めています。その代表例として注目を集めているのが「介護スナック」です。

介護スナックは、昼間に営業を行い、利用者の送迎サービスや看護・介護の体制を備えているのが特徴です。カウンター越しに会話を楽しみ、歌を歌い、なじみの仲間と過ごすというスナック本来の魅力はそのままに、高齢者が安心して足を運べる仕組みが整えられています。介護施設のような堅さではなく、あくまで「楽しみに出かける場所」として機能している点が、従来の福祉サービスとは一線を画すところです。

若者世代が集う「街中スナック」という新潮流

もう一つの新しい動きとして、若者世代を中心に支持されている「街中スナック」があります。

従来のスナックといえば、薄暗い照明にカラオケ、たばこの煙といったイメージを持つ人も少なくないでしょう。しかし街中スナックは、禁煙にしたりカラオケをあえて設置しないなど、現代の価値観に合わせた新しいスタイルを取り入れています。気軽に立ち寄れるカジュアルな雰囲気が、これまでスナックに縁のなかった若者層を引きつけているのです。

こうした柔軟な進化により、スナックは特定の世代だけのものではなくなりつつあります。若者から高齢者まで、世代を超えた地域交流の拠点として生まれ変わる可能性を秘めています。

地域コミュニティを支える「第三の場所」の未来

東京都立大学の谷口功一教授(スナック研究会研究代表者)は、スナックをはじめとする飲食店について、人々が直接顔を合わせて意見を交わし、社会とのつながりを保つための重要な機能を持っていると述べています。

現代社会では、人々の分断や孤立が深刻な課題として指摘されています。地域にある「第三の場所」を守り、育てていくことは、こうした課題への一つの処方箋となり得るのではないでしょうか。

大切なのは、必ずしも大きな取り組みではありません。久しぶりになじみのスナックを訪れてみる。そんな個人の小さな行動の積み重ねが、地域コミュニティを支え、人と人とのつながりを守ることにつながっていくのです。

https://www.ibaraki-west-rc.com/column/2209/

住所

松ヶ本町2/35
Ibaraki-shi, Osaka
567-0033

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