24/11/2025
認定取消等に関する要望書を今月11月7日、経済産業省に提出してきました。
原告団をはじめ弁護団の弁護士の方々や、環境保全の専門の方たち、そして経産省への要請に同席いただいた、すぎむら慎治衆議院議員(埼玉9区 立憲民主党)には大変お世話になりました。
また、提出にあたり趣旨に賛同し、署名してくださった市民の皆さま、ありがとうございました。
以下は要望の骨子です。お目を通しいただけると幸いです。
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本要望書は、令和 7 年 11 月7日付で経済産業大臣に提出されたものであり、一 般社団法人ジャパンインターナショナル・スポーツアカデミー(旧 HISA)から大和リー ス株式会社へ事業譲渡された埼玉県飯能市のメガソーラー発電事業(FIT 認定事業)に関し、複数の法令違反を指摘し、大臣による厳正な対処を求めるものである。
第1 要望の趣旨 要望の趣旨は、以下の 4 点である。
1. 旧 HISA の認定取消と FIT 交付金の返還命令 旧 HISA は、事業譲渡により認定計画 に従った事業実施が不可能となり、土地の使用権原も喪失している。よって、法第 15 条に基づき、直ちに旧 HISA の FIT 認定を取り消すとともに、法第 15 条の 11 に 基づき FIT 交付金の返還を命じるべきである。
2. 大和リースの発電事業の即時停止命令 大和リースは、事業者の変更という重要な 事項に関わる「変更認定申請」をいまだに行っておらず、再エネ特措法に違反した 状態にある。また、認定に必須の住民説明会も経ずに事業を開始しているため、大 和リースに対し、発電事業を直ちに停止させるべきである。
3. 経済産業大臣による厳正な調査の実施 :経済産業大臣は、以下の点について立入検査を含む厳正な調査を実施すべきである。
• 計画との相違:第 1 工区などで、認定計画と実際のパネル枚数が異なっており(例:認定 2,444 枚に対し設置 2,448 枚)、これが太陽光パネルの合計出力の変更に該当しないか調査すべきである。
• 「分割案件」の疑い:同一事業者(旧 HISA)が近接した 4 施設の認定を受けているが、これらを分断する事業用道路は公道としての実態がなく(市民 が通行不可能)、高額な FIT 認定を不正に取得した「分割案件」に該当しな いか調査すべきである。
4. 大和リースからの変更認定申請の不許可:将来、大和リースから変更認定申請がなされても、以下の理由から許可すべきではない。
第2 要望の理由 (第1で述べた4つの要望の趣旨を裏付ける理由を詳述する。)
1. 旧 HISA の認定を取り消し、FIT 交付金の返還を命ずるべき理由
• 認定計画に従った事業実施の不可能性 旧 HISA は、令和 6 年 5 月に大和リースに事 業譲渡をしており、再生可能エネルギー発電事業者でなくなるとともに、保守点検 責任者でもなくなっている。また、飯能市との契約により土地の使用権原も失っている。 さらに、旧 HISA は商号を「一般社団法人ジャパンインターナショナル・ス ポーツアカデミー」に変更し、所在地を飯能市から遠方の静岡県下田市に移している。 旧 HISA が事業破綻したと主張して事業を譲渡している以上、今後、認定計画 に従った再生可能エネルギー発電事業を実施する余地はないため、法第 10 条の 3 の規定に違反していることは明らかである。
小括 :よって、経済産業大臣は、旧 HISA に対し、法第 15 条に基づき、直ちに認定 を取り消すべきである。
• FIT 交付金の返還命令 :法第 15 条の規定により認定を取り消すときは、法第 15 条 の 11 に基づき、供給促進交付金の全部若しくは一部を推進機関に返還するよう命 ずることができる。本件においても、認定取消にあたり、旧 HISA に対し、法第 15 条の 11 に基づき、交付金の返還を命ずるべきである。
2. 大和リースによる発電事業を直ちに停止させるべき理由
• 変更認定申請の不履行 大和リースは既に本件土地上で太陽光発電事業を行い売電 収入を得ているにもかかわらず、事業者の変更について、再エネ特措法が予定する 変更認定申請をいまだに行っておらず、再エネ特措法違反の状態にある。事業者の 変更は事後変更届出で済むものではなく、経済産業大臣の認定を受けることが必須 であると解される。
• 住民説明会未了での事業運営 再エネ特措法は、認定に当たり、地域と共生した再 エネ導入を図るため、説明会等の実施を求めている。事業計画の認定要件として求められる説明会が開催される前に、新たな事業者が事業を運営することは、同説明会の趣旨・目的を達成することができず、再エネ特措法はこれを予定していないと 考えるほかない。
• 小括: よって、大和リースが変更認定を受けていない以上、再エネ特措法に違反しているため、経済産業大臣は、大和リースに対し、本件認定発電設備による発電事業を直ちに停止させるべきである。
3. 認定計画に従った事業実施に関する調査をすべき理由
• 太陽光パネルの枚数及び合計出力に関する調査の必要性 本件施設における太陽光パネルの枚数は、認定計画と異なっている工区がある。具体的には、第一工区は認 定 2,444 枚に対し 2,448 枚を設置し、他方、第四工区は認定 5,158 枚に対し 5,154 枚を設置している。太陽光パネルの合計出力を変更する場合は変更認定申請が必要 になるため、認定計画に従った合計出力となっているかどうかを調査する必要がある。
• 分割案件に該当するかどうかの調査の必要性 旧 HISA は同時に近接した 4 施設について FIT 認定を受けている。本来、一体の事業地は合計出力で評価することが原則であり、分割が許されるのは公道や河川等を元から挟んでおり物理的に統合できない場合等に限られる。 しかし、上記 4 施設を分断する市道は一般の用に供されておらず、事業者が「市道」と称する道は急斜面で分断され市民が通れる状態ではない。これらの施設内の「道」は、施設を意図的に分断するために敷設されたもので あり、旧 HISA は上記 4 施設を「私道などを意図的に設置して分断している」と考 えられる。
小括:よって、本件施設が分割案件に該当すると考えられることから、直ちに調査 する必要がある。
4.大和リースによる変更認定申請を許可すべきでない理由
(1) FIT 全期間の使用権原を有していないこと 大和リースと飯能市との土地賃貸借変更 契約の期間は、飯能市財産規則に基づき令和 14 年(2032 年)8 月 31 日までとされており、これは FIT の調達期間(20 年)をカバーしていない。契約の更新は保証されておらず、FIT 終了までの間使用権原を有することが事前に決まっていないにも関わらず FIT を適用 することは、20 年間という期間を定めた FIT の制度趣旨に反するものである。
(2) 土地賃貸借変更契約が無効(飯能市財産規則違反)であること 上記契約は形式上 10 年以内となっている。しかし、「土地有効活用事業に関する基本協定書」等において、事業期間が実質 20 年間(令和 24 年(2042 年)まで)となることが予定されていたことは 明白である。飯能市財産規則では 10 年を超える普通財産の貸付には議会の議決が必要であるが、飯能市は議決を得ておらず、実質的に期間を超える本契約は規則に反し無効である。
(3) 土地賃貸借変更契約が無効(地方自治法違反)であること 地方自治法第 237 条第 2 項は、議会の議決なしに「適正な対価なくして」財産を貸し付けることを禁じている。 飯能市が算定した最低貸付料(月額約 7.3 万円)は、事業地から 15km も離れた上名栗の 不当に安価な地価(122 円/㎡)を基に算定されており、「適正な対価」とはいえない。 近傍類似土地の調査価格(1,717 円/㎡~2,400 円/㎡)で試算すると、適正賃料は少なくとも月額 102 万円以上 142 万円が相当であったといえる。 飯能市は、適正対価(102 万 円以上)の 1/10 以下という不当に低い価格(月額 10 万円)で貸し付けるにあたり、地方 自治法が求める議会の議決を得ていないため、契約は無効である。
(4) 令和7年8月7日開催の住民説明会が法の要件を充たさないものであったこと 令和 7 年 8 月 7 日に開催された住民説明会は、以下の点で再エネ特措法に基づく要件を充たさない。
• ガイドラインで原則双方の出席が求められる旧認定事業者(旧 HISA)の関係者が 一人も出席しなかった。
• 再エネ特措法施行規則に基づき開催案内が必要な実施場所に隣接する土地所有者に 対して、開催案内が行われなかった。
• 過去の説明会では対象であった阿須自治会の唐沢川流域住民が、「市町村長が必要と認める者」から不合理に除外された。
• 事業終了後の設備撤去や土地の原状回復に関する説明がなされなかった。
結語 :経済産業大臣におかれては、以上の理由に基づき、直ちに、厳正に対処いただけるよう要望する次第である。
#阿須山中メガソーラー問題
#飯能市