18/05/2026
ケース調査報告書「スマトラ島の紙パルプ⽣産が引き起こした⼈権侵害と未曾有の洪⽔・⼟砂災害」公開!
https://fairfinance.jp/bank/casestudies/pulp2026/
世界最大級の溶解パルプ生産企業の一つであるロイヤル・ゴールデン・イーグル(以下、RGE)グループ。
その傘下にあるトバ・パルプ・レスタリ(Toba Pulp Lestari、以下TPL)社は、インドネシア北スマトラ州で約28万ヘクタールのコンセッション地域を管理している。RGEグループ傘下にあるエイプリル(APRIL)社は、過去に天然林破壊や人権侵害に関与したことにより、世界的な森林認証制度であるFSC(森林管理協議会)から関係断絶を言い渡されたが、2014年には、「持続可能な森林管理方針」を掲げ、改善に向けて舵を切った。さらに、2024年にはFSCによる新たな方針の下、FSCとの関係断絶の解消に向けたプロセスを開始した。
しかしながら、現地ではその後も周辺コミュニティとの土地紛争や人びとに対する脅迫や暴力などが数多く報告されている。そのような状況から、FSCは2025年9月末に関係断絶の解消に向けたプロセスを一時凍結した。
それだけでなく違法伐採を含む天然林の伐採が行われていたこともNGOの調査により明らかとなっている。
2025年11月末、大規模な洪水・土砂災害がスマトラ島北部を襲い、1,000人を越える人々が犠牲となった。この災害の間接的な原因として、TPL社を含む28社の企業がインドネシア政府により事業権を剥奪された。
RGEグループに資金提供を行っている日本の金融機関としては、三菱UFJフィナンシャル・グループが挙げられる。2024年には9,500万米ドルの資金提供をしている。
三菱UFJフィナンシャル・グループの「森林・農業」および「林業・紙パルプ」関連のセクター方針(2025年4月改定)には、違法な伐採や保護価値の高い地域における森林破壊に関与していないかどうか確認し、適切な対応がなされていない場合には、改善に向けて働きかけるよう要求することが規定されている。この方針に基づき、現地での環境社会問題が指摘されているTPL社のみならずRGEグループ全体に対して改善を求めるよう働きかけ、場合によっては資金提供を引き上げるなどの措置を講じることを同金融機関に要請する。
報告書全文はウェブサイトより→https://fairfinance.jp/media/p5hlksvs/pulp2026_ffgj_final.pdf