14/04/2026
<トピックス>中東情勢による原油価格高騰・供給不安の影響アンケート[帝国データバンク調査から]
原油高騰・供給不安、企業の9割超で「マイナス」 半年続けば、43%が事業縮小
~『製造』は3カ月未満でも22%が限界 サプライチェーンリスク懸念も~
【要 約】
・中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰や供給不安が経営に「マイナス影響がある」企業は96.6%となった。
・「自社で使用する車両の燃料費の上昇」が7割超で最も高く、「原油由来の原材料価格の上昇」や「物流費・輸送費の上昇」が6割台で続いた。
・また、今回の事態が半年程度長引いた場合、43.8%の企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされる可能性があることが示唆された。
・特に『製造』では、22.8%が3カ月未満でも経営に重大な影響が及ぶとみている。
~原油高騰・供給不安、企業の9割超で「マイナス」~
・中東情勢の緊迫化を背景とする原油価格の高騰や供給不安は、自社の企業経営にどのような影響を及ぼしているか(見込みを含む)を尋ねたところ、「マイナス影響がある」と回答した企業の割合が96.6%と9割を超えた。
・一方で、「影響はない」は2.3%、「プラス影響がある」は0.1%だった。
~半年続けば、43%が主力事業の縮小を想定 『製造』は3カ月未満でも22%が限界~
・現在の原油価格の水準またはそれ以上の水準がどの程度継続すると、自社の主力事業の大幅な縮小に至ると想定するか尋ねたところ、「3カ月以上~6カ月未満」と回答した企業の割合が26.7%で最も高かった。
・また、短期間でも経営に重大な影響が及ぶとする「3カ月未満」が17.2%だった。
・これらを合計すると、『6カ月未満』は43.8%に達しており、今回の事態が半年程度長引いた場合、4割超の企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされる可能性があることが示唆される。
~まとめ~
・本アンケートの結果、中東情勢の緊迫化を背景とする原油価格の高騰や供給不安が経営に「マイナス影響がある」と回答した企業は9割を超えた。
・具体的な影響としては、燃料や原油由来の原材料価格の高騰などコスト負担の増加に関する項目が上位を占めた。
・また、原料調達の難しさとサプライチェーンリスクを懸念する企業も少なくない。
・影響は、エネルギーや原油由来の原材料を多く消費する運輸・製造関連にとどまらず、建設、農業関連など幅広い業界に波及している。
・今回の事態が半年程度長引いた場合、4割超の企業が主力事業の大幅な縮小を余儀なくされる可能性があることが示唆された。
・なかでも、『製造』では「3カ月未満」と回答した企業が22.8%となり、短期間でも経営に重大な影響が及ぶとみる企業が比較的多い結果となった。
・トランプ米大統領は日本時間4月8日午前、イランが事実上封鎖してきたホルムズ海峡を開放することを条件に、攻撃を2週間停止することでイランと合意したと表明した。
・ただし、今後の情勢とそれにともなう企業活動への影響には引き続き注意が必要な一方で、すでに顕在化している影響や課題への対応が急務となっている。
・本調査の結果からは、「顧客に対して早期に値上げのアナウンスを行い、五月雨式に価格改定を実施」といった価格転嫁の動きや、「シンナーの調達難を受け、塗装仕様からメッキ仕様への切り替えを検討」など原材料の代替化を進める事例が確認された。
・加えて、「新たな調達先の模索」や「運行計画の再構築」など、中長期的な事業継続を見据えた対応に着手する企業もみられる。
・中東情勢をはじめ予見が難しい地政学的リスクが高まる環境下では、こうした企業努力に加え、原油価格高騰・供給不安の緩和に向けた政府の取り組み、ならびに経営への影響が大きい企業に対する支援など、幅広い施策が求められよう。
株式会社帝国データバンクは、中東情勢による原油価格高騰・供給不安の影響について企業へアンケート調査を行った。
・調査期間:2026年4月3日~4月7日(インターネット調査)
・有効回答企業:1,686社
https://www.tdb.co.jp/report/economic/20260409-oil/