19/08/2026
高市政権のめちゃくちゃな政治に抗議!
平和憲法を守り、活かそう!
=(札幌)8/10定例3団体共同街宣・スタンディング・リレースピーチ(通算51回)=
北海道アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会(道AALA)、北海道合唱団、北海道の大学・高専関係者有志アピールの会(HUAG)の3団体は共同街頭宣伝を8月10日(月)夕、JR札幌駅北口広場でおこないました。毎月「11日」を基本に実施している定例のスタンディング・リレースピーチ行動で、通算51回となりました。
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デモカレンダーを見て、手製の大きなパネルを持参した複数の市民のみなさん、先月に続き、手作りのボードを掲げ、参加した江別市民など、飛び入りの参加者含めて30数人が集まりました。
道AALA片岡満事務局長の司会ですすめられ、道AALAの長屋いずみ副理事長(日本共産党札幌市議)、HUAGの本庄十喜共同代表、北海道合唱団の大堀尚己団長が主催者あいさつ、スピーチ。北海道合唱団が「ウクライナに平和を」「さとうきび畑」の2曲を披露しました。
続いて、ハンマダン・記憶と証言をつなぐダークツーリズム主宰のちょきむしがんさん、北海道宗教者平和協議会事務局長の小林良裕さんがそれぞれスピーチ。HUAGの姉崎洋一共同代表が閉会あいさつしました。
・戦争する国づくりNO! 高市政権のめちゃくちゃな政治に抗議! 横暴・強権政治を許すな!
・平和憲法を守り、活かそう! 憲法九条・改憲、大軍拡・大増税NO!
・核兵器廃絶、日本は核兵器禁止条約に参加を!
・原発再稼働NO! 北海道泊原発は廃炉に!
・議会制民主主義を壊す衆議院議員の比例定数削減やめよ!
・差別と分断、排外主義NO! 市民社会の自由を奪う『スパイ防止法』NO!
・『死の商人国家』の道、武器輸出全面解禁やめよ!
・思想信条の自由、表現の自由を踏みにじる国旗損壊処罰法はいらない!
・軍事研究・軍学共同NO! 学問の自由、言論・表現の自由を守ろう! 大学の基盤的予算の拡充を!
・戦争の完全終結を! ウクライナ・ガザに平和を!自由を!
・アメリカ・イスラエルはイランへの軍事攻撃を完全にやめよ!
・国際憲章・国際法を守れ! 日本政府は国際社会に向けて、平和のための外交努力をおこなえ!
などと書かれたメッセージボードを掲げ、多くの旅行中のみなさんが行き交うなか、道AALA作成のチラシを配布しました。
北海道合唱団のうたごえ・演奏やメッセージボードを掲げてスピーチ、スタンディングする様子をカメラに収める市民の姿があちこちでみられました。
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=主催団体のそれぞれのあいさつ、スピーチの要旨です。HUAG本庄十喜共同代表の開会あいさつは後掲=
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〇開会あいさつ : 道AALA 長屋いずみ副理事長
戦争責任、歴史の未清算と、いまの軍拡は地続き
災害対策や社会保障に十分な予算を回せているのか!
北海道AALAは、国連の3分の2以上の国が参加する非同盟諸国首脳会議に、日本で唯一参加資格をもつ団体です。日本国憲法を守り活かし、非核・非同盟・中立の日本をめざし、非同盟諸国と連帯して核兵器や軍事同盟をなくす運動を進めています。
今の日本の政治のあり方を、皆さんと一緒に考えたいと思います。
先月28日、熊本県で震度7の地震が発生し、10日以上が過ぎています。いまだに多くの避難者がおられすでに関連死も発生しています。亡くなられた方々に心からの哀悼と、被災者の皆さんへのお見舞いを申し上げます。自然災害でさえ、「公助の限界」という言葉で被災者に我慢を強いる問題が起きています。
8月6日、9日。人類は、核兵器が使われればどうなるかを、身をもって知りました。15日には、終戦記念日を迎えます。改めて、過去の歴史を振り返り、私たちはどんな未来を選ぶのかを考えたいと思います。
私は、前職は医療人です。見過ごしてはならないことがあると感じてきました。戦争は、倫理の世界を壊します。
昨日、国内の複数の大学が戦時中、子どもを含む入院患者らに動物の血液などを使い輸血の人体実験をしていたと報じました。医療という「人を救うための営み」が治療ではなく人体実験の対象にされたのです。
東大・京大・慶応大など多くの医学者が戦争に協力した731部隊は、残酷な人体実験を繰り返し、毒ガスを使った人体実験の記録は、2004年に公開されるまで、実に40年間も隠蔽されていました。資料を隠すかどうかを判断していたのは旧軍関係者だったと、防衛省自身が認めています。『自衛隊は旧軍と断絶している』という政府の立場と、これは大きく矛盾しています。
戦争責任が総括されないまま、戦後の医学界に持ち越されたのです。今も自衛隊幹部が、侵略戦争を美化する靖国神社に連れ立って参拝しています。歴史の未清算と、いまの軍拡は地続きなのです。
軍事費にこれだけの財源を割きながら、災害対策や社会保障に十分な予算を回せているといえるでしょうか。事実を知り、事実を語り、声を上げる。それが民主主義です。命も暮らしも平和も守る政治へ。ともに力を合わせましょう。
〇あいさつ : 北海道合唱団 大堀尚己団長
〈うたごえは平和の力〉 世界中の人々が「核兵器NO!」の声を!
無責任でずるいやり方、恥ずかしい姿を世界にさらす 高市首相
私たちは音楽を通じて、平和運動に参加している文化団体です。
8月6日、札幌市で開かれた被爆81年原爆死没者北海道追悼会では、被爆者、遺族など関係者が集まり、核兵器のない世界への思いを新たにしました。式典後の集いでは高校生らが「被爆者の思いを受け継ぎ、未来へつなぐ役割を担う」と決意を述べてくれました。
広島で開催された平和記念式典でも、広島市長が若い世代の人たちに対して、「国境を越えた交流を深め、平和のためにできることを実践し、行動の輪を広げてください」と述べ、また、世界の為政者に向けて「いったいいつまで失望させるのですか。核兵器の使用が人類に破滅的な被害をもたらすことを、十分理解しているはずです」とも言っています。
世界には1万2千発もの核兵器があり、核による威嚇が実際に行われ、とても危険な状態にあります。核保有国の国民もまた、核兵器の使用が人道に対する犯罪であることを知っていて、核兵器を使用しないように自国の政府の手を縛っているのです。
長崎の原爆から81年間、世界は核兵器を使わせないことに成功してきました。今後も核兵器を使わせないために、世界中の多くの人々が「核兵器NO!」の声を上げていくことが重要です。
高市首相は、平和記念式典で非核三原則を堅持するとは言わず、「堅持している」とのべました。今後の方針には触れないのは、為政者として無責任でずるいやり方です。唯一の被爆国でありながら、日本政府は核兵器禁止条約に参加せず、アメリカの核の傘の下で生きる恥ずかしい姿を世界にさらしつづけています。高市首相はまた、戦争の放棄をうたった憲法9条の改変を進めようとしています。
こうした動きに危険を感じた多くの人々が、全国各地で「戦争反対」「憲法守れ」と声を上げ、全国各地で集会を開き、行動していることに、とても励まされます。
私たち北海道合唱団は、うたでみなさんと平和への思いを共有したいと思います。今日も2曲「ウクライナに平和を」「さとうきび畑」を歌います。
〇スピーチ : ハンマダン・記憶と証言をつなぐダークツーリズム主宰 ちょきむしがん
差別的、懲罰的な入管「永住許可に関するガイドライン」の改定案は撤回を!
世界各地で8・14メモリアル・デー 8/11映画「黒川の女たち」上映会(札幌)
こんにちは、今日は三つのことをお伝えしたいと思います。
一つは、8月4日に入管は差別的、懲罰的な「永住許可に関するガイドライン」の改定案を公表。
永住許可要件のうち、独立生計要件については「申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準」を求め、「年金の受給見込み額がこの年収で厚生年金に30年加入していた場合に受け取れる額に達していることを原則として要求」。また国益要件が明記され「積極的かつ具体的に日本国に利益をもたらす必要がある」とされています。
大多数の外国籍住民は上記の生計要件から外れます。私もそうです。国益要件は国の考え方次第です。
皆さんこの「ガイドライン」に対して移住連(NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク)は、撤回を求める声明の賛同団体を求めています。検索するとガイドラインの詳細も記載。是非賛同をお願いします!
☐ https://migrants.jp/news/voice/20260807.html
二つ目、8月14日は韓国で金学順さんがはじめて「私が証人だ」と名乗りでた日です。
この日を記念して世界各地でメモリアル・デーの取り組みが行われています。
けれどもそれ以前に名乗らざるを得なかった女性がいます。沖縄のぺポンギ(裵奉奇)さんです。彼女は韓国の貧農の家に生まれ一家離散、結婚生活も破綻し甘言に騙され、1944年に渡嘉敷島に連行されます。45年以降、戦火を逃れ日々の糧を求めて沖縄中を放浪。72年に沖縄が日本に返還された事で「特別在留」許可が必要になり、75年に那覇入管にて自身の被害を証言せざるを得なかったのです。そして1977年、新聞「朝鮮新報」に顔を出し被害を告発。ポンギさんの人生は植民地支配と侵略戦争、戦後の沖縄と日本の従属関係、そして祖国の分断が凝縮された人生でした。
三つ目は、8月11日メモリアル・デー企画として取り組む映画「黒川の女たち」上映会(札幌)です。「戦争と性暴力の事実、いま知るべきことがここに在る」「なかったことにはできない」(いずれも上映チラシより抜粋)。(曺金時江)
〇スピーチ : 北海道宗教者平和協議会 小林良裕事務局長
宗教、信仰の違いを超え、非戦、非核平和のために共に力をあわせよう!
カトリック教会 教皇レオ14世 「平和を生み出すのは核兵器ではなく、軍縮である」
かつて日本の多くの宗教教団は時の権力に抵抗することなく、この国の侵略戦争と植民地主義加害に協力・加担しました。
北海道宗教者平和協議会はこの過ちを繰り返さないことを誓って1965年に結成されました。私たちは日本宗教者平和協議会と共に核のない平和な世界、自由と公正な世界を目指してそれぞれの宗教、信仰の違いを超えて活動を続けてきました。
しかし戦後81年を迎え、日本と世界を取り巻く状況はどうだろう。
いまもウクライナ、パレスチナ、イランで子どもたちや市民が傷つけられ、命を奪われています。この現実を前にして私たちは自分たちの力の限界を思うかも知れません。しかし一方でこの現実を変えようと抗う人たちもあらたに行動を起こしていることを忘れてはいけません。
世界で14億人以上の信者を持つカトリック教会ではアメリカ合衆国出身の教皇レオ14世が2025年8月6日、核抑止体制を「相互破壊の脅威に基づく幻想の安全だ」とつよく非難、紛争解決手段として「対話の実践を望む」、「平和を生み出すのは核兵器ではなく、軍縮である」と述べて、軍拡競争を厳しく批判しました。また教皇はアメリカとイスラエルによるイラン攻撃を「残虐極まりない」、「イエス・キリストはいかなる戦争の正当化にも利用することはできない」としました。
アメリカではトランプ大統領以下、ヴァンス副大統領、ルビオ国務長官、ヘグセス国防長官は皆キリスト教徒を自認しています。彼らは戦勝祈願を神に祈る祈祷会を行っています。
これに対して教皇は、「イエス・キリストは戦争を拒絶される。神は戦争を起こす者たちの祈りを聞き入れない。彼らの祈りを拒絶し、『たとえあなた方が多くの祈りを捧げても、私は聞かない。あなた方の手は血にまみれているからだ』」(イザヤ書1章15~17節)と彼らを厳しく批判しました。
私たちは微力ではあっても決して無力ではありません。
私たちは戦後81年、日本が海外で武力を行使することも戦争をすることもさせなかった。このことに確信を持ちたいと思います。微力も併せれば大きな力になる。
非戦、非核平和のために共に力を併せようではありませんか。
〇閉会あいさつ : HUAG 姉崎洋一共同代表
「公共」(ひらかれた民主主義)の姿を取り戻すことが重要!
新自由主義のもと、教育、地域社会の基盤がボロボロに解体された日本
今年は戦後81年。暑い8月がめぐってきました。
8月6日広島,8月9日長崎の原爆慰霊式典が今年ももたれました。
被爆者は、平均年齢86歳超です。
<核廃絶!核と平和は共存できない>
広島、長崎の両市長、知事も同じ願いです。
高市首相のみ異例な発言と態度でした。とりわけ、非核3原則を「堅持しています」とは言うが「今後も堅持していきます」とは言いませんでした。「しています」と今後も堅持して「まいります」では大違い。明らかに、非核3原則を見直す意図が透けてみえ、核禁条約には、一言も触れませんでした。被爆者に対する態度は、リスペクトを欠き不遜なものでした。高市に呼応するように、小泉防相は、「新しい守り方」を掲げています。非常に危険な方向に進んでいます。
歯止めなき軍拡に突き進んでいる、日本は大丈夫でしょうか?
日本は、教育や地域社会の基盤が、新自由主義のもとでボロボロに解体されてきています。住民が学び、行動し、意思決定に参加する「主人公」になっていません。
アメリカではDSA(アメリカ民主社会主義者)など、「公共(コモンズ)を取り戻す」という運動が各地で広がっています。ニューヨークやシアトル、ヨーロッパでも、ロンドン、バルセロナで、公共を住民の手に取り戻そうという活動が行われています。日本でも、杉並区(岸本聡子さん)、清瀬市(原田博美さん)の先駆的事例が出てきています。
「朝日新聞」(8月5日)にAIを使って歴代首相の言葉を分析した記事がありました。
安倍は「長い言葉で言い換え」て結局何も言わず、高市は強い言葉で「言い切り型」で説明を求められても答えない(嫌がり、拒む)という特徴があるということでした。(まるでヒットラー)
今、潮目は変わりつつあります。「高市ではダメだ」という声も強くなっています。我々も「言葉」だけでなく、「実際に」、大胆に行動していくことが必要です。
世界と地方の動きに着目し、平和と民主主義に裏打ちされた「公共を取り戻す」という考えを掲げていくことです。本来あるべき「公共」(ひらかれた民主主義)の姿を取り戻すことは重要な課題であり、住民(国民)の求めにもなっています。
〇開会あいさつ : HUAG 本庄十喜共同代表
皇室典範改正法、国旗損壊処罰法 「熟議」なく、数の暴力で強行採決!
「万世一系の男系男子」 近代以降に作られたイデオロギー
日本女性史学の長年の研究成果、史実を無視
今期の国会では、数の暴力によって国論を二分するほどの重大法案がまさに「熟議」なく強行採決されてしまいました。その最たる事例は皇室典範改正法(8月17日成立)と、国旗損壊罪という刑事犯罪を新設した国旗損壊処罰法(8月4日成立)でしょう。
日の丸の旗が戦前、天皇制ファシズムと軍国主義の象徴として機能し、国民の戦争へ向けた総動員体制に果たした積極的側面を考える時、植民地支配や侵略戦争、また、思想信条の自由を否定した全体主義の象徴としての日の丸に否定的感情を抱く人は当然存在します。国旗損壊処罰法は、そうした個々人の思想信条の自由や歴史認識の表明を委縮させる危険性をともないます。また、日の丸君が代を国旗国歌と規定した国旗国歌法の制定後(1999年)、学校現場での強制が広く問題となっていますが、今回の刑罰法の制定により、日の丸をめぐる学校教育への委縮効果はより明確となり、現場の教員へ過度な負担を強いることになるでしょう。
以上のような歴史認識の上でも問題だらけの国旗損壊処罰法に対しては、憲法学会や歴史学会など学問の垣根を越えて広く学界が相次いで緊急シンポジウムや声明を出すなど批判的立場を鮮明にしています。
一方、前者の皇室典範改正法については、学会の対応は極めて鈍く、私はこの姿勢は極めて問題だと思っています。こと歴史学会においては、そもそも天皇制の存在そのものを否定する立場から、女系天皇・女性天皇を容認する議論に二の足を踏む研究者が多く、結果として学会の総意としては、この問題含みの法案に「沈黙」のまま、今回の法改正に至ってしまったといえます。世間ではこれは「黙認」と映ったことでしょう。
しかし、私は、天皇制の是非をめぐる議論とは別に、この皇室典範改正法の女性差別(男尊女卑)という明らかな問題と、そもそもこの改正法の前提にある歴史を無視した暴論を研究者の総意で批判するべきと考えます。以下、その点について、この度唯一歴史研究者の立場から国会に要望書を提出した女性史・ジェンダー史学会の有志の研究者たちによる見解に基づいてお話をさせて頂きます。
日本古代史研究において、弥生時代から古墳時代前期4世紀頃までの首長の古墳には女性首長のものがかなりの割合で存在していることは周知の事実です。有名な弥生後期3世紀、豪族の合議で王となった卑弥呼は、広汎に存在した女性首長を象徴する存在です。その頃の倭(古代日本)について記した中国の歴史書『魏志倭人伝』には、政治的集会に「男女」全員が参加する様子が驚きを持って書かれています。古墳の人物埴輪にも男女が分担協力して政治や生活に当たっていた様子が確認されます。この時代は、外交力や軍事力、統治能力にたけた男女が、豪族たちの合議によりリーダーに選ばれる社会だったのです。
転換は、7世紀末から8世紀初に中国に倣(なら)った律令国家が成立し、男系優先が公的に定まったからです。それでも女性を排除しない従来の継承の伝統は消えず、8世紀も含めて古代には170年間で8代6人の女性天皇が輩出し、またその後、女性天皇が立てられなくなった平安時代から中世においても、女性天皇の即位が禁止されたわけではありませんし、近世には2代2人の女性天皇が誕生しました。
日本女性史は、古代における天皇の継承には「男系」ではなく、父母両方から受け継ぐ「双系制」が基盤にあったこと、また従来よく言われていたような「女性天皇=中継ぎ」論を排して、一族のなかでも尊敬され、実力をもった女性が合議で決められたことを明らかにしています。たとえば、持統天皇は、天武天皇の葬送儀礼中に先手を打って王権を奪取した女帝ですし、また、7世紀後半の天智・天武の兄弟の父は舒明天皇、母は皇極(重祚して斉明天皇)なので、天智・天武は男系天皇であると同時に母を継いだ女系天皇でもあるのです。
このような「日本の伝統」を踏まえず、明治時代に井上毅、伊藤博文らによって作成された皇室典範は、「神武以来の万世一系、男系男子」という史実に基づかない「新しい伝統」をつくりあげました。これは、帝国主義的近代国家をつくるために、欧米とは異なる日本の天皇制の長さを強調したいがための作為であったと理解されています。
現在、皇族に養子を迎えて「男系男子」による継承を主張する人々の中に「男系の皇室は2000年の独自の歴史文化伝統」とか「126代にわたって男系で皇統が継承されてきたことは世界に比類ない伝統」だという発信がありますが、そもそも2000年前に天皇は存在しませんし、126代は神話と史実を混同した極めて非歴史的な把握です。つまり、大王の実在と継承順序が明らかになるのは、継体(26代)以降で、ひとつの系統による王位世襲は、5世紀末頃までは未確立だということ、つまり、万世一系の男系男子など近代以降に作られたイデオロギーにすぎないのです。
以上、日本女性史学が長年かけて実証し、多くの歴史家に共有されている史実をご紹介しました。こうした長年の研究成果をまったく無視し、女性天皇容認という世論の意向を尊重しない政府与党の姿勢に違和感を持つ人は少なくないのではないでしょうか。数の暴力によって国会が機能不全に陥ったままであるのであれば、今こそ、主権者たる日本国民の総意に基づき、私たち主権者が象徴天皇制の在り方を主体的に考えていこうではありませんか。
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