09/12/2025
【参加レポート②】地域コミュニティづくりのリアルな現場を学ぶスタディーツアー(2025年11月1日@南蟹屋町内会)
〜「解散の危機を乗り越えた町内会」から学ぶ〜
広島市主催の「地域コミュニティづくりのリアルな現場を学ぶスタディーツアー」で、今回は南蟹屋町内会を訪問しました。
今回も大学生インターンの木村さんのレポートで報告します。
1.南蟹屋町内会について
南蟹屋は約2,200人が暮らす地域で、町内会には約600世帯が加入しています。同町内会では2年前、30年近く会長を務めてこられた方の引退に伴い、後任が見つからず、町内会解散の可能性が告げられました。
そんな状況の中で、「それなら自分がやってみよう」と手を挙げたのが、現在の町内会長さん。自身のお子さんの世代が地域にお世話になること、そして会長自身が子どもの頃に感じた地域へのよき思い出が原動力となったそうです。
2.会長さんが語る、地域を動かす工夫と言葉
お話の中で印象に残った点をまとめると、次のようなキーワードがありました。
● 緊急時こそ町内会の価値が見える
以前、地域の近くで火災が発生し、避難した住民やその後の対応に苦慮したそうです。
その経験から、
・普段からどのような訓練や備えが必要なのか
・誰が地域の中で力になってくれ得るのか
など、町内会の目的や役割を改めて考える機会になったとのこと。
● ICTの活用で負担の軽い町内会へ
町内会の情報発信をLINEで行ったり、イベントのポスターをAIで作成したり、町内会行事のカレンダーをオンラインで共有したりするなど、作業を効率化することで現役世代や若い世代も関わりやすい環境づくりを進めているとのこと。
一方、ICT化は進めつつも、「ご近所に伺う理由」をつくるため、敢えて回覧板は残しているなど、バランスを大切にされていました。
● 参加者が“主体”になるイベントづくり
防災イベントでも、椅子や机の準備を住民さんが自分たちで設置するスタイルを採用。「住民がイベントのお客さん(受け身)にならず、自分ごととして関わる」ことを大切にされていると感じました。
● 集会所利用のハードルを下げる
マンション暮らし世帯が多いという地域特性から、「遊び場」として集会所を開放することで、自然と人が集まり、町内会に未加入の方との接点も広がっているそうです。
3.住民のみなさんと一緒に!
今回、会長さんのこんな言葉が印象的でした。
役員は裏方。住民と一緒に町をつくる。当初は町内会の方々の要望をただただ引き受けていたが、いまは「では、一緒にやりましょう!」と伝えるようにしています。
また、
・強制はしない
・必要な場合は作業には対価を支払う
・補助金、助成金も適切に活用する
など、町内会の持続性を高めるための考え方も勉強になりました。
4.多様なメンバーが楽しみながら関わっている
今回会長と一緒に登壇いただいた役員の方々からは、「役員の負担は比較的少なく、無理なく関われている」「地域の人たちと出会える場になっていてありがたい」「楽しく参加している」などの感想があり、多様な立場の人が、多様な方法で関わることができるという雰囲気があるように思いました。
5.今回の訪問で学んだこと
今回、ある参加者のコメントが心に残りました。
「なり手がいないと言うけれど、それは“やることが決まっている”から。
南蟹屋では“今いるメンバーでできること”を考えているんだなと思いました」
私はこの視点に確かに!となりました。
「役割に合わせた人を探す」のではなく、「いまいる人で、逆算してできること考える」。この柔軟さが、コミュニティの運営には欠かせない考え方なのかもしれません。
今回のスタディーツアーで、南蟹屋町内会のみなさんの温かい関係性と、会長さんをはじめとする役員のみなさんの行動力と柔軟性が、町内会に活気を生み出していることを感じました。
(レポート/大学生インターン 木村)