03/02/2026
2026年2月3日、ツツイ
☆☆ 最新論文紹介:YouTube上のフッ化物利用論争-解析 ☆☆
ちょっと面白いフッ化物利用に関する論文が2025年12月29日に出ましたので紹介します。
Nagao HS et al. Pro- and Antifluoride Use Messages on YouTube in Japan: Content Analysis. JMIR Form Res. 2025 Dec 29.「日本のYouTubeにおけるフッ化物利用賛成・反対メッセージの内容分析」です。
SNSの世界でフッ化物利用が、どのように、どのくらい扱われているか、あまり気に留めることはなかったのですが、これを読んで、なるほどと思いました。
2023年10月15日、日本語と限定してインターネット上のYouTube動画を検索したそうです。検索の結果、全86件が規格に該当しそうで、 その内訳は、
• フッ化物使用を支持する賛成動画:50本
• フッ化物使用に反対する反対動画:19本
• 混合的または中立的な見解を示す動画:17本
と賛成動画が58%を占め、多かった(図1)。総再生回数は、賛成動画で平均148,003件、反対70,594件で、賛成動画が約2倍多かった(図2)。しかし、1日平均の視聴された回数19回以上が、賛成動画は44%でしたが、反対動画は94.7%と高く、再生回数は賛成動画が多いものの、反対動画の方は、視聴回数も多く、「イイネ」件数も多かったということです(図3)。反対動画のほうがより視聴者を引き付けているということなんでしょうね。
動画の出どころ(図4)は、 賛成動画全50件のうち、歯科医師・歯科衛生士によるものが60%、歯科医師会が2%、地方自治体、企業が4%、一般の人によるものが30%でした。
反対動画全19件のうち、歯科医師のよるものが1件で5%、一般の人によるものが84%でした。歯科医師による反対動画1件、誰(!?)でしょう。
YouTube動画のテーマは、表1、図5に示すように、賛成動画ではフッ化物の作用、予防、エビデンスや、ガイドラインが並んでします。反対動画では、添加物や潜在的な危険性、安全性未確認などでした。自然食品やオーガニック、ワクチン接種否定などの単語が出てくるそうです。製品紹介というものがありますが、これは無添加歯磨剤を売る「ジャンボ石けん(論文中に記載あり)」のものでした。
まとめ
主に歯科医師や歯科衛生士などの専門家が制作する賛成動画は、正確でエビデンスに基づく情報を発信していたが、これらの動画には、視聴者の注意を引き、効果的に共感を醸成するために必要な感情的な説得力、アピールが欠けていた。
一方、反対動画の量は賛成動画を下回っていたものの、より一貫したリーチ数を示し、1日あたりの平均視聴回数が高く「イイネ」の高評価の割合も高かった。反対動画は「フッ化物は人体に有害」といった感情に訴えかけるセンセーショナルでストレートなメッセージが主で、不安を煽り共感を引き出し、コンテンツの共有を増やしていた(表2)。
そして、反フッ化物のYouTube戦略に対処するためのポイントをあげています(表3)。
• 賛成メッセージの影響力を増幅させるコミュニケーション戦略の開発が不可欠である。
• 科学的厳密性も必要だが、視聴者の日常生活に響く分かりやすく実践的で魅力的なコンテンツとすべきである。
• 反フッ化物コンテンツは特定のフッ化物添加なし製品を宣伝するマーケティング戦略として機能することが多い。そのため誤情報の背景にある商業的動機に対処するコミュニケーション戦略も不可欠である。
と結ばれています。
誤情報の拡散を効果的に阻止し、公衆衛生イニシアチブを支援するためには、正確な情報はもちろんですが、その到達範囲を拡大する取り組みを優先しなければならない、と結んでいます。
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