07/10/2026
ツツイ、2026年10月7日
今日の論文*は、地域の歯科医院の数(密度)と高齢者の歯科受診の関係についてです。東京科学大学歯科公衆衛生学分野 教授の相田先生から紹介いただきました。
歯科医院はコンビニより多いと言われて久しいのですが、今や団塊の世代の歯科医師がリタイアを迎え、歯科医院の急速な減少が起こっています。
今日の論文は、2016, 2019, 2022年の1km2当たりの歯科医院数(密度)と65歳以上の予防、治療目的の歯科受診率の関連性を検討したものです。
*Honda K, Kiuchi S, Takeuchi,K, Kusama T, Osaka K, Aida J. Nonlinear Association between Density of Dental Clinics and Dental Visits among Older Japanese. JDR Clin Trans Res. 2026 Aug 20.
結果は、以下の通りです。図を参照しながら見て下さい。
・高齢者においては、歯科診療所の密度が高い地域に居住することと、予防および治療を目的とした歯科受診頻度との間に、有意な正の関連が認められた。
・特に、歯科診療所の密度が1km²当たり0.6医院未満と少ない地域では、密度が最も高い地域(5医院以上/km²)と比較して、歯科受診頻度が有意に低下していた。
・歯科医院の密度と予防目的の受診との間には、治療目的の受診よりも強い関連性が認められ、予防目的の受診においては身近に歯科医院が存在することがより重要である可能性が示唆された。
・歯科診療所数が1km2当たり0.6軒以上と多い地域では、予防および治療目的ともに受診頻度に有意な差がなくなり、「天井効果(一定以上の歯科診療所数になると受診率は一定になる⇒ある地域では供給過剰が起こっている)」が認められた。
・歯科受診に関連する他の要因として、男女ともに、教育水準が高く、収入が多く、パートナーがいる人ほど歯科受診率が高くなる傾向が認められた。
歯科診療所は減少の時代になっています。その一方で、増加する高齢者に多くの歯が残ってきています。
歯科疾患の多くを占めるむし歯、歯周病はともに予防可能です。歯科医院を増やし、そこをベースとした予防・管理も重要ですが、この時代、歯科医師増、歯科医院増には多くの財政負担を要します。歯科診療所が過剰となっている地域もありますので、供給を増やすではなく適正配置を進めることも必要となるでしょう。
さらに、歯科医院に依存しないむし歯予防もあります。むし歯が半分以下になるよう地域に供給される水道水のフッ素濃度を調整するフロリデーション実施も対策の一つとして検討すべきではないでしょうか。
#フッ素
#フロリデーション
#歯科医院数
#需給
#むし歯
#予防